Master thesis, final presentation 修論最終発表会

2025年8月23日,小研究室から3名の修士学生さんが最終発表会に臨みました.皆さん,その後の教授会で修了が承認されました.


鶴川 亨:

人間と自然の相利共生を目指す農業サービスモデルの分析―東京都板橋区におけるアグロエコロジーを実践する都市農業の事例から―

Agricultural Service Model for Mutual Symbiosis between Human and Nature: A Case Study of Urban Agroecology in Itabashi Ward, Tokyo

【ダイジェスト】近年,大規模単一栽培や化学農薬依存の工業的農業が環境破壊的と批判され,生態系の力を活かすアグロエコロジー(AE)が注目されている.本研究は農業を人と自然の価値共創過程と捉え,東京板橋区のAE農場を事例に観察とインタビューで分析した.その結果,自然共生型のサービス提供により,農家と利用者が心理的充足や自然資本再生に寄与する価値を共創することが明らかとなった.本研究は,農業をサービスとして理論化し,人・自然・農業の共生関係を描き出している.


山岸 美貴:

美容サービスにおける顧客経験を深化させる知識支援の分析:美容品製造企業ミルボン社の事例研究

【ダイジェスト】本研究は美容サービスにおいて,顧客が自己の価値観や生き方を見直す「美と心の豊かさ(BWB)」経験の生成過程と,それを支える知識支援の構造を明らかにした.スマートサロン3店舗を対象にした分析から,BWBは「気づき→内省→志向性変容→行動変容」のプロセスとして構造化され,美理容師との関係性が強い影響を与えることが示された.また,企業内の知識仲介機能や専門制度が持続的支援を可能にしている.理論的には感性知と関係性知を重視した新たな知識創造枠組みを提示し,実践的には内面的変容を中心としたサービスデザインの可能性を示した.


大幸 祐貴:

ベンチャー企業における知識創造プロセス促進要因の分析―新規事業・既存事業の知識創造事例比較―

The Analysis of Factors Promoting the Knowledge Creation Process in Venture Firms: A Comparative Case Study of New and Existing Businesses

本研究は,ベンチャー企業における知識創造の促進要因を,新規事業と既存事業の比較から明らかにした.ヘルスケア関連ベンチャーを対象にプロセストレーシングで分析した結果,新規事業では多様な知識交流と経営層のセンスギビングが,新規アイデア創出に重要である一方,既存事業では小規模チームの結束や心理的安全性が知識活用を支えることが示された.さらに,事業の成熟度や探索志向・活用志向の違いが知識創造メカニズムに影響することが確認された.

Shirahada Lab.

北陸先端科学技術大学院大学 知識科学系 白肌研究室 Well-being志向のサービス学 Transformative Service Research (TSR)を推進.