Q. 社会人がJAISTで学ぶ意義は何でしょうか?

JAIST品川は専門職大学院ではありません.我々は論文指導を重要視します.企業人が大学院を選ぶ際にはここを念頭に入れる必要があります.論文指導をするということは,問いのたてかたを学び,問いに答えるための視点を磨き,(社会)科学的作法に基づいて世の中に新しい知見を示すという,一連のプロセスをしっかりと指導するということです.

 私のこれまでの経験では,こうしたプロセスは多くの企業人にとって苦手であるようです.ロジックが破綻している(脱線している)にもかかわらず,特定の話題について深掘りし,結局何のために何をやっているのか,うまく説明できない例は入学初期の社会人学生によく見られます.

 社会人が大学院で学び直すことの意義は,そうした思考の型をキチンと修得し,どのような社会・経営課題においても筋道を立てて考える力を養うことにあると思います.私の研究室は,それぞれの社会人学生が持ち寄った何らかの課題意識を,Transformative Service Research,技術経営の観点から明確な「問い」として表現していくことから始め,特にパラグラフライティングの徹底訓練を通じて論文指導をしていくことに特徴があります.

 またJAISTの場合,博士課程の進学も視野に,論文指導を通じて基礎からサービス経営,技術経営について学び考えることができる環境にあることは重要なポイントです.

Shirahada Lab.

北陸先端科学技術大学院大学 知識科学系 白肌研究室 Well-being志向のサービス学 Transformative Service Research (TSR)を推進.